Motor

モータ

モーターの構造や動作原理はメーカーの資料や専門の書籍にあるので、ここでは解説しません。
設備を設計したり保全する立場で見た時、どのような違いがあるかを私なりの見方で説明します。
容量に関しても、自動機を対象に考えて、小さい物に限定して説明します。

1.小型ACモータ−(200W以下)

交流電源の周波数に応じて回転数が決まります。
減速機と組み合わせて出力回転数を調整します。
コストが安のが最大のメリット。
ON/OFFだけなので、配線や制御は簡単。
位置・速度の精度を必要としない用途でよく使われます。(コンベアの駆動、窓の開閉など)

1)インダクションモータ(一定速)

   一定速、一方向の回転

2)レバーシブルモータ

   一定速、両方向の回転

3)電磁ブレーキ付きモータ

   ブレーキで制動する

4)クラッチブレーキ付きモータ

   モータは回転させたままで、出力軸の回転・停止を制御できる
   運転停止を頻繁に行う用途に使います

5)スピードコントロールモータ

   速度調整できる。遅くするとトルクが落ちるので、注意が必要

   1)から4)はインバータを使えば速度調整できます。細かい調整をしたい場合はインバータが有利です。

2.DCモータ

世の中にはたくさんありますが、設備に使うことは少ないですね。

使わない理由は想像するに、制御がわかりにくいのが一因ではないでしょうか。
ON/OFFだけで使うのなら良いですが、速度調整をしようとすると壁があるという感じですかね。
  

3.ブラシレスDCモーター

モーターにセンサが付いていて、回転位置を検出して電気的に極性を変えることで回転させる構造になっています。
従って、モーターとコントローラをペアで購入する必要があります。

私の少ない経験では、回転速度を調整する用途が多いような気がします。
加工機のスピンドルはその例。

設備ではありませんが、最近のラジコンヘリのローターの駆動に使われています。
加減速の反応がよく、機敏に上下するのに驚きました。

4.パルスモーター(ステッピングモーター)

指令1パルスに付きモータが1ステップ回転するので、こんな名前になっています。
オープンループ制御です。それがメリットでもあり、ディメリットでもあります。
  
  メリット
   1)一番の特徴は停止時に振動がない
   2)位置指令通り動く(脱調しない限り)
   3)ゲイン調整不要

  ディメリット
   1)負荷が大きいと指令値と動作がずれ(脱調といいます)、その状態が続く
   2)トルク特性がわかりにくいこと。
   3)1回転あたりのパルス数が少ない
  
  ディメリットを解消した製品もいろいろ出ています
   1)脱調検出機能が付い
   2)エンコーダをつけて、位置フィードバックの機能をつけたもの
   3)1ステップをさらに細かく分割して動作するようにしたもの(マイクロステップ)

脱調で痛い目にあった人は敬遠する場合が多いのですが、最近のものは高機能になっています。コスト面でのメリットは見逃せません。
  

5.ACサーボモーター

位置制御用のモーターの主流です。が、あまり内容を理解しないまま使っている人も多いのではないかと思います。
理解することによって、安全且つ有効に使えると思います。

サーボと言うのはフィードバック制御を行っているということです。
よく使われているサーボモータはモータのエンコーダーの位置をフィードバックに使っています。(セミクローズドループ)
工作機械では、スケールの信号を基準としているものもあります。(フルクローズドループ)
  

 エンコーダーのタイプ
  1)インクリメンタル
    電源投入時には現在位置がわからないので、原点復帰動作が必要

  2)アブソリュート
    モーター1回転の範囲はエンコーダで位置を検出する。
    回転数はバッテリーでバックアップしたメモリーに記憶する。

 注意
  アブソリュートエンコーダの場合、現在位置を読み込むことが必要になります。
  この方式がメーカーによって異なります。
  これを理解せずに選定すると、制御する人が大変苦労することになります。

 サーボの動作
  フィードバックをしているということは、常に動作をしているということです。
  機会があれば、動作中に少し力をかけてみて下さい。(安全には注意してください。責任は持てませんので)
  位置がずれる分大きな力が必要になります。これがフィードバックしているということです。
  この特性は内部のパラメータで調整できます。
  問題がない限り出荷レベルか、オートチューニングで使っていると思います。
  高速動作をさせたり、移動中の位置を保障する使い方では、調整に経験が必要です。
  

 位置決め完了
  サーボですので、わずかですが常時動いています。決まった1点を指定するとON/OFFを繰り返します。これでは位置が決まったかどうかわかりません。そのためある程度の範囲を指定して、その範囲に入った時に位置決めが出来たということにします。(インポジション)

 偏差カウンタ
   サーボはずれ量が重要なファクターです。どれだけずれているかを数えているのが偏差カウンターです。
   非常停止などが発生した時には、偏差カウンターの値がメモリー上に残っています。
   このままだと、動作できる状態になった瞬間に偏差量だけ動きます。動作の前に偏差カウンターをクリアすることが必要です。
   運転中の過負荷は偏差カウンタが設定値を超えたことで検出します。(偏差カウンタオーバー)
   このときはサーボモータのドライバー異常になり、一旦電源を切らないと復帰できません。
 
 パルス列入力
  コントローラからサーボモータドライバへの位置信号の方式としてパルス列入力をよく使います。AB2相の矩形波を送りますが、周波数が高い領域で使いますので、注意が必要です。
  差動ラインドライバ方式がお勧めです。